yom yom 4
yom yom (ヨムヨム) 2007年 10月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/09/27
- メディア: 雑誌
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (50件) を見る
ソリチュード/山本文緒
山本文緒氏が小説を書くのは5年ぶりになるらしい。家出息子はひょっとしたら、書くことから遠ざかった山本文緒のことなのでは?と詮索してしまう。ふらふらと無責任でダメ男。結局責任をとれず、それを回りの人々も分かっていることに腹を立てるのでもなく、抗うべく言い訳する訳でもなく、努力する訳でもない。どうしようもなくそれに従うだけだ。そう。なるようにしかならない。書けない彼女もそんな気持ちだったのではないだろうか?これからもっと書いてくれるといいな、と思う。
勝負恋愛/角田光代
yomyom2でのくまちゃんが、yomyom3で同棲している彼女に逃げられる。その逃げた彼女が主人公だ。角田光代氏はこの手の連作が上手だなあと心底感心させられる。このシリーズではいつも主人公が相手に合わせて我慢をする。そして徐々にその関係がゆがんでくる。本当の自分がむくむくと立ち上がってくるのだ。次はアキトが主人公かな?
濡れた女の事情/川上弘美
タイトルはエロビデオのタイトルだ。エリート高校になんとなく進学した主人公は金持ちの同級生の家でエロビデオを見せてもらう。そのタイトルだ。こんなに目的意識なく盲漠とした人間が東大に進学できるだろうか?日本の大学入試はそんなに甘いものだっただろうか?けれど、そのリアリティに欠けたその設定もまあいいか、と思えるほど主人公は坦々と過ごす。何故か東大中退の後に占い師になるのもどうよって感じだった。
チャーリー、牽制球に気をつけろ/重松清
頑張ればできる。努力すればできる。やる気が大事だ。というような紋切り型言葉へのアンチテーゼというか、現実はそんなに上手くはいかないのだということか。スヌーピーってそんなにのめり込むほど面白かったっけ?チャーリーって自分を重ね合わせるようなキャラだったっけ?と何度も心の中で繰り返しながら読んだ。チャーリーは自分の子供の頃のメタファーだ。そして先生にとっては主人公がダメな自分のメタファーとなっている。
『架空のガールフレンド』より/ジョン・アーヴィング 訳:岸本佐知子
アメリカにはこんなプレップ・スクールがあるのかあ。という感想。それだけ。それ以外は、そりゃもう、登場する作家の名前も作品も全然わからないので、さっぱりわからなかった。
花/阿川佐和子
yomyom3「宙」との連作。前回もそうだったが、どうもキャリアウーマンと主婦とを対比したいようだ。キャリアウーマンはスリムで主婦はメタボというややステレオタイプ的な設定が気になる。