家族を「する」家/藤原智美

家族を「する」家―「幸せそうに見える家」と「幸せな家」

家族を「する」家―「幸せそうに見える家」と「幸せな家」


南図書館
家族関係の希薄さを「家」という切り口で説明する。日本の男たちは「甲斐性としての家づくり」を装いながら、実は「言い訳としての家づくり」をしていると言う。それは「責任を果たした」ということになるらしい。つまり、ローンを組んだ時点で、自分の家族への仕事は終わったと日本の男は思っているのだという。確かにそういう面も否定できないか……と思った。
そして「家」とはちょっとずれるが、情報化社会が家族の絆を壊したと言い切る。
かつての日本には新聞やテレビ、ラジオなど一家に一台で、家族の手に入る情報のソースは一つだったと。
それが今日では一人ひとりが個別に自分に必要な情報を手にいれらる。そしてそれぞれが常にそれらの選択に迫られているというのだ。情報化社会に追われているのは企業だけではない。家庭の中も専業主婦もやはり同じように情報過多の状態で、どれが良いのか選択しなければならない。それがストレスになっているのだと藤原さんは語る。
今や家族は家の中でぶつかり合って壊れているのではなく、外へこぼれあっているらしい。