書くことが思いつかない人のための文章教室/近藤勝重

書くことが思いつかない人のための文章教室 (幻冬舎新書)

書くことが思いつかない人のための文章教室 (幻冬舎新書)


質問に答える形式で具体的な困ったている例と解決策を提示している文章読本。今までにはなかったタイプかもしれない。大抵の文章読本は、大家が勝手に「オレの言うとおりに書け」と書いてあって、そりゃあんたはそう書けるかもしれないけどさあ、普通は無理でしょ?と思わず漏らしそうになる内容なのだけれど、この本は違う。書くことを考えるのではなく、思い出して書くとか、「思う」「考える」「感じる」を使わずに書くというように具体的な方法を教えてくれる。難しいのは「のだ」「のである」は論を押し付けているようだから使わない方がいいというもの。論よりエピソードだとアドバイスしている。うむ。気をつけます。一番良かったのは、「あとがき」。ある学生の文章を推敲している。自分もその学生が書くような文章をついつい書いてしまうのだけれど、近藤氏が読ませる文章にみごとに変えてみせている。思わせぶりに進んでゆくためにオイシイ部分を一番最後に持ってゆくあたりはスゴイ。