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時が滲む朝/楊逸

時が滲む朝

時が滲む朝


第139回芥川賞受賞。中国人、楊逸氏が日本語で書き下ろした作品。大学に入学したばかりで自分の将来をばら色に描く学生が、中国民主化運動に加わり天安門事件で自分の無力を思い知らされる。大学の寮でテレサ・テンを初めて聴き、その歌声にときめく自分に罪悪感を感じるあたりが、夜明け前の中国を感じさせる。日本でいうならば、全共闘というところか。日本の全共闘時代の人もそうだけれど、活動家をやってしまうと一生その甘味から逃れられなくなるようだ。一生、活動家気分でいないように楊逸氏も気をつけたほうがいい。