ルージュ/柳美里

ルージュ (角川文庫)

ルージュ (角川文庫)


南図書館
ちょっとフェミズム的な作品。女性が化粧することと、男性がネクタイをすることとが同義らしい。化粧は自分を美しく魅せ、男を誘惑するための手段ではなく、日常と違う世界(社会)への扉なのだそうだ。男のネクタイはそうだと思うが、化粧は果たしてそうなのか?
で、この作品、黒川というCMディレクターが主人公の里彩に恋してしまう辺りから主題と逸れてしまった感があると思う。最後のドラマ撮影シーンで里彩はノーメイクで出演する。スッピンの頬を涙が伝う。芸能人にはなってしまったけれど、化粧への考え方は変わらないぞ、という決意の暗喩だったのだと思うのだけれど、結局何が言いたいのか分からなかったぞ。