そして私は一人になった/山本文緒

そして私は一人になった (幻冬舎文庫)

そして私は一人になった (幻冬舎文庫)



1996年の一年間の山本文緒氏の日記。1996年と言えば、嫌だった部署から異動した年だ。まるとしのと出合った年である。そして坂口と離れ離れになった年でもある。あの年に山本さんは人も羨むような、OLと妻と売れっ子少女小説作家という地位を捨てて、離婚し、退職し、文芸小説作家となっていたのかと思うと感心する。あの頃の自分にはそんなことを考える能力はなかった。そして、今、まるは離れてゆき、坂口が変わりに世話を焼いてくれている。不思議なものだ。