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わたしの彼氏/青山七恵

 

わたしの彼氏

わたしの彼氏

 

この人の作品を最初に読んだのは、文藝新人賞を獲った時の「窓の灯」。芥川賞もとっているけれど、内容は全然思い出せない。

調べてみたら、芥川賞は「ひとり日和」。読んだ形跡があるものの、内容は相変わらず出てこない。どうやら「やさしいため息」という作品も読んだことがあるようだけれど、全く記憶から消えている。

本書の内容は、モテモテだけど、意志薄弱で色がはっきりとしない大学生男子と彼を好きになってしまうちょっと変わった女たちが引き起こすドタバタ劇(だと思う)。それに大学生男子を思いやる三人の姉たちで物語は構成されている。大学生男子がきっと主人公だとは思うのだけれど、彼の主張はほとんど受け入れられないし、そもそも表明もしない。女たちの意志に飲み込まれては、女の意志によってのみ引き離されてゆく。それに抗うことなく流されてゆき、不満もない様子がイマドキ男子っぽくてリアリティがあるのかもしれない。想像がつかない男女の展開に飽きることがないので、面白かった。個人的にはゆり子のキャラクターは大好き。