ねじまき鳥クロニクル/村上春樹
夢中になって読んだけれど、なぞがなぞを呼び、結局何だったのか分からない物語。ねじまき鳥のクロニクルというくらいだから、ねじまき鳥を時系列に持った、その声が聞こえる歴代の人々の紹介、という受け取り方もできるけれど、物語はそんなに簡単にはできていない。登場人物の一人ひとり、出て来るアイテムの一つひとつが何かしらのメタファーとなっているように思えるのだけれど、何の意味もないようにも思える。一回読んだくらいじゃ分からない深さがあることは分かったけれど、それ以上はさっぱり分からない。今のところは。
ちなみに、登場人物の中で一番好きなのは、正体不明な電話の女。あの滅茶振り具合がとってもいいと思う。もう一人の側のクミコ、と取れない事もないが、そうであるにしろ、そうでないにしろ、あのキャラクターは結構好き。