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何者/朝井リョウ

何者

何者

第百四十八回直木賞受賞作品。 「就活」はこんな風なんだなと、ちょっと切なくなった。バブル期だった僕たちの就職活動には、こんな人間模様は無かったような気がする。自分になかっただけなのかも知れないけれど…。就職活動は、あくまでも個人戦で、一緒にテストをクリアしたり、エントリーシートを添削し合ったりすることもなかった(もちろん、エントリーシートというものもなかった)。会社のセミナー行っただけで、交通費とランチ、それにテレフォンカードが必ず貰えたので、ちょっとしたバイト感覚で会社訪問していたのも事実。もちろん、ツイッターなんてなかったから、仲間の本音と建前を文字で確認する術もなかった。そして、今、僕は面接をする側になったわけだけれど、未だもって「合格の条件」は分からない。だから、彼らが悩んで迷うのは当然だと思う。僕のところ(第一次面接)で合格をした学生が、役員面接でどうなったのかは聞かされることはないし、聞くこともない。ただ、自分の部署に配属になった新人を見ていつも思う。彼らは皆、面接の時の彼らとは全然違う。もっと、面接の時に配属後の自分を見せてくれたらいいのにといつも思う。僕の判断基準は、「この人と一緒に働きたいか?」だけなのだ。