野心のすすめ/林真理子

野心のすすめ (講談社現代新書)

野心のすすめ (講談社現代新書)

前半は校長先生的な頑張れば報われる論。後半は女なる者かくあれ論。そして全般に羨ましいという心こそ、野心の源泉であり、自分が獲得して来た「今の自分」の源泉であるというお話し。こう書くと、なんか本書を否定している感じがするけれど、決してそうではない。林真理子さんは大好きだし、バブル入社世代としては、一世代前に時代を切り拓いてくれた人という印象が強い。彼女がいなければ、こんなに自由にモノを言える環境はやって来なかった気もするし、ひょっとしたらブログ文化だってこんなに日本で受け入れられていなかったかもしれないとすら思っている。自分の欲しいものを手に入れる方法はいくつかあると思うけれど、彼女は自分の力で誰からも奪わずに「創造」したのである。羨ましくて仕方がない。