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永遠の0/百田尚樹

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

泣いた。宮部久蔵かっこ良すぎる。途中で宮部に生きていて欲しいという思いが強くなる過ぎるあまり、本当は生きていているのではないかと想像してしまっている自分がいることに気づく。実は本当のお爺ちゃんではないと思っているその人こそ、特攻から生き残った宮部で、名前を偽って本土に戻って来ただけなのではないかと勝手な想像をしてしまうほど、宮部という人間に釘付けされてしまう。小説としては、細かい表現などはあまり完成されているとは言えないけれど、徐々にベールを脱いでゆく戦争と戦闘機搭乗員と特別攻撃隊の真実に圧倒されてしまう。戦争を全く知らない僕たちに、当時の日本の誇らしい部分と陰湿な部分を見せつける。そして、誇らしい部分はもう日本には残っておらず、陰湿な部分は今もはびこっていることに愕然とさせられる。宮部久蔵が実在していたらいいのに、と心底思う作品だった。