妻の超然/絲山秋子

妻の超然

妻の超然

「妻の超然」は夫のことが大事で仕方が無い妻の戯言。ストーカーを撃退した手紙の内容がすごく気になったけれど、明かしてはくれなかった。「下戸の超然」は面倒臭いことと自分の守備範囲とを混同しているボクちゃんの言い訳物語。僕はこういうタイプの男ではないので、あまり気持ちが分からなかった分、イライラしながらも楽しく読めた。「作家の超然」は、作家ではないので何が言いたいのか最後まで分からなかった。どうして作家が良性腫瘍の手術をして入院しなくてはならない必要があったのかさっぱり分からなかった。ひょっとしたら、人間と細胞のレトリックを使いたいためだけに入院させたのか?あと、地の文の語りは誰なのか?主人公である「作家」を「おまえ」と呼ぶ存在。誰?