きことわ/朝吹真理子

きことわ

きことわ


第百四十四回芥川賞受賞作品。不安定な記憶の過去と現在とを何度も行ったり来たりするけれど、決して振り回されたりせず読み進めてゆける。音や肌触りといった感覚を上手に表現している作品。感覚頼りの記憶の曖昧さが心地よく、透明感を感じた。