モサ/山崎ナオコーラ


またナオコーラ。ジャンルは絵本だと思う。モサはニートである、と始まるところが絵本らしくないけれど、絶対に絵本だと思う。家族からも学校からも疎外感を感じているモサが逃げ込むのが、山の上の天文台だったり、妹にイジワルをする方法として下駄箱から靴を盗んだり、突然現れた女の子が絶対的にモサの味方だったり、天文台にいるのが達観したおじいさんだったり、謝ったらすべてが解決したりするすべてのアイテムがステレオタイプなのだけれど、絵本ならば許されるしそうでなければならない。ナオコーラはそのことに自覚的だ。