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長い夜の紅茶/川上弘美

この主人公は自分はひどく平凡で、つまらないと潜在的に思っている。けれど、思っているだけで、十分特殊な人である。何しろ、お見合いした相手とセックスできるかどうか分からないうちから、相手の母親を好きと思ってしまうのだ。しかも、その義母はかなり変わり者でとっつきにくい人ときている。ご本人はというと、歳とともに友達が減ってきて今では友達といえる人はいないのだ。それでも、私はごくごく平凡な人間だ、と続けてゆく。どこが平凡やねん!とつっこみどころ満載の平凡日記だった。

家守綺譚/梨木香歩

植物を素材にエッセイを書きたかったのだけれど、気がついたら小説になっていた、という感じか。時代がいつ頃なのかさっぱり分からなかった。ちょっと、我輩は猫であるチックな印象を受けた。

優美/阿川佐和子

「波」から「碧」を連想するっていうのはどうなのよ。女の執念深さを書きたかったのかと思わず突っ込みたくなる。夫の不倫相手の姉である波に主婦のつまらなさを説かれて言い返すシーンは、どうしてそれですっきりしてしまうのか分からない。碧への復讐まで終わってしまったような雰囲気すら漂う。女って不思議だ。

三人姉妹/大島真寿美

三人姉妹の真ん中が夫との仲をこじらせて帰ってくるお話。三人揃ってバーに飲みに行く。マスターのお世辞で気分をよくする次女。その帰りにはすっかり機嫌が直っているのがおかしい。ただのストレスのお話だったのー?

大阪ほのか/吉田修一

大阪ほのかはお土産の名前だったのだ。福岡時代の同級生が大阪に偶然集まってドンちゃん騒ぎをするお話かと思いきや、実は四十男の恋愛観を紹介するお話だった。そうかなあ、俺だったら相手が同年の四十女でも全然OKなんだけどなあ、と思いつつ読んでしまった。でも、「大阪ほのか」は買わないかな。

楽園を追われて/恩田陸

すごくすごく文芸部が好きだったんだねえ、っていう一言しか感想が出てこない。強いて言うならば、百五十ページもある、しかも手書きの原稿を居酒屋で喪服を着て読むか?ふつーっていうことだろうか?無理がありすぎーってことだな。

キヴォーキアン先生、貴方に神のお恵みを/カート・ヴォネガット

臨死体験っていうのが本当にあるのかどうか分からないけれど、確かに自由に行き来できて昔の偉人に出会えたら、面白いかもしれない。カート・ヴォネガット氏が描くように意外と分からずやの堅物ばかりなのかもしれない。