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眠れるラプンツェル/山本文緒

眠れるラプンツェル (角川文庫)

眠れるラプンツェル (角川文庫)



二回目。行き過ぎる自分の感情をどこで止めるのか。山本ワールドはいつもこの問題を投げかけていると思う。現実の人間関係の中でも本当に難しいと思うテーマなのだ。自分はタビと同じだ、というくだりがある。ここから出てゆかないのは、自分には何も無いからだ。ここから出されたら生きて行けない。でもそれは、何も持たないという武器を持っているということなのだ。何も持たない弱いものを放り出すことはできないからだ。けれど、何も持たないのは、生きてゆくのための糧を得るためだけじゃない。本当は誰かから離れたくないからだ。夫を求めつつもルフィオを愛してしまう。そしてダニーの気持ちも動かしてしまう。止めることのできない感情は、閉じ込められているわけではなく自分で自分を閉じ込めているだけだ。看守は自分だったと気づくことろがとても良かった。