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群青の夜の羽毛布/山本文緒

群青の夜の羽毛布 (文春文庫)

群青の夜の羽毛布 (文春文庫)



愛し合うまでの奇跡をプロットしたものや、愛し合う二人が結婚するまでのプロットはたくさんあるが、恋愛のその後の家族のあり方というものをこれほどまでに考えさせてくれる小説はなかったと思う。個人的には、お父さんが使う「塊のようなものを落としてしまった」という比喩が好きだった。あと、さとるが最後にキレて「ババア」というところ。人間の心の中に溜まっているものを吐き出せる瞬間をありきたりな台詞なのに、ものすごく効果的に使っていると思った。手垢の突いた表現も、使い方次第で活きるのだと感心した。