ブルーもしくはブルー/山本文緒

ブルーもしくはブルー (角川文庫)

ブルーもしくはブルー (角川文庫)



すっかり、山本文緒月間になってしまった。何故か、彼女の作品に惹きつけられる。何故だろう?彼女の作品の登場人物は皆、自分の思いどおりに生きている。そして、自分の選んだ道に満足している。しかし、それは長くは続かない。必ず自分の思い描いた理想の世界が、色あせた陳腐なものに見えてくる。恋愛、親子関係、仕事……。そんな、人の心の「ゆがみ」みたいなものをしっかりと捉えている。そうか、彼女の人間観察力に惹かれているのかもしれない。