浮世でランチ/山崎ナオコーラ

浮世でランチ

浮世でランチ


「人のセックスを笑うな」で文藝新人賞を受賞して以来、2作品目?「文藝」5月号に掲載されている。
他者との距離を上手にとれない私っていうのは、定番中の定番設定。にもかかわらず、マンネリ感を感じなかったのは、主人公の心理描写が独特だったからだと思う。読みにくいなという印象の文体なのだが、何故か「私」の心理描写に引き込まれていってしまった。社会人の私と中学生の私との話がパラレルで進行してゆく設定も定番。独特な感性を持った作家さんだと思う。なにしろペンネームだって、「ナオコーラ」だからね。今後も注目したい。