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ロストワールド/林真理子

ロストワールド (角川文庫)

ロストワールド (角川文庫)



どの世界を失ってしまうのか?と思って読んだら、バブルの頃を懐かしむ物語だった。もうバブルの頃を懐かしむ人もいないだろうが、これが書かれたのは1999年だから山一證券が倒産して、日本中があっと驚いた直後くらいである。しかし、バブルの頃もここに書かれているようなお金を自由に使えた人はごくごく一握りの人間で、サラリーマンはせいぜい領収書さえあれば会社がいくらでも出してくれた程度のことである。つまり接待程度。不動産業を営む元夫の軌跡を、しきりに「バブル」という言葉で一般化して共感を抱かせようとしている感があるのだが、一般人には無理。単なる金持ち絵巻にしか見えません。しかも、今もそれくらいの金持ちならいるでしょう、と突っ込みを入れたくなる。「バブル」にフォーカスしなくてもこの話は成立したのでは?