みんないってしまう/山本文緒

みんないってしまう

みんないってしまう


南図書館
十二の物語からなる短編集。
新しい自分を手に入れると、失うものもある。この本を読んで、会社での人事異動のことを思い出してしまった。仲が良かった仲間たちも、気が付くと自分の周りにいなくなっていたりする。皆が一度にいなくなるわけではなく、一人ずつ姿を消してゆく。だから、変化に気が付かないことが多い。五年くらい経ってふと我に返ると、最初にいたメンバーはいなくなって、当時のメンバーは自分ひとりだったということもある。あの時、一緒にランチをしていたあいつらは、今どうしているのだろうか?と物思いに耽ってしまう作品だった。